EMCに関し、ワイズと他クラブ(インターナショナルVIP)の比較

          菅生 宏一
 先にこの欄で、ワイズの魅力とは何か、他の似たようなクラブ(ロータリー、ライオンズ、インターナショナルVIPクラブ)との違いは何か等の記事が出ていましたが、これはEMCに関する基本的な問題提起として、重要な意見と考えます。
 私はインターナショナルVIPクラブの会員となっており、その関連プロジェクトにも参画していますが、このクラブは旧約聖書イザヤ書43章4節「わたしの目にはあなたは高価で尊い」つまり「すべての人はVIPである」という理念に基づいて、クリスチャンもそうでない人も仕事、家庭、人生等について考え、将来の方向性を語り合っているクラブで、話すだけでなく幾多のプロジェクトを抱え、多彩な活動を行っています。
 数年前、家庭集会から始まった活動が増殖し、現在は東京・大阪・名古屋・ニューヨーク等国内外を40カ所以上の都市にネットワークがあり、集会が定期的に行われています。
 会員はどの集会に出てもよく、夫々の目的、好みに応じて、夫々に個性があるがリラックスした雰囲気の会に参加しています。これほど急激に増殖しているのは、それなりの魅力があってのことでしょうが、何が魅力なのかは、各個人の受け止め方によって違うと思われるので、今具体的に指摘するのは難しいでしょう。只、ある世話人は"敷居の低い、気軽に来れる集まり"と言っています(大抵は一流ホテルで集会が持たれていますが)、又ライオンズ、ロータリー、ウラブは宗教・政治の話が禁止されているのに反し、VIPクラブは世界のベストセラー『聖書』をベースに明確なビジョンをもって語り、行動しているのが特徴でしょう。
 翻って我がワイズを省り見ますと、あるクラブのワイズメンがブリテンで指摘されていた通り"最近はどの事業委員会が行う事業であっても、その委員会のみ、もしくは委員長が躍起になって事業を行っている姿が見かけられます"といった現象が、特に歴史のあるクラブで起こっているのではないでしょうか?
 つまり"慣れ"が出て、全てを何の感動もなく軽くこなしてしまい、後進に夢を与えるなどと言う発想はなくなってしまったのです。マンネリだけが原因で魅力がなくなったのか、その因果関係は確と分かりませんが、いずれにしても一度、初心に返ってビジョンを再確認し、それに基づく"今"風の行動様式を創り出すことが、今やるべき事ではないでしょうか? NPO法人として奉仕活動をするのも一選択肢です。ワイズの目的は先ず第一にYMCA運動に仕えることとなっています。YMCAは"イエス・キリストによって示された愛と奉仕の精神に基づいて、青少年の精神、知性、身体の全人的成長を願い…"となっております。
 我国では1995年の阪神大震災を機に市民ボランティア、特に若者の活動が急速に広がっています。又、今国家的に、青少年教育方針を見直そうとしています。このような社会情勢の中でYMCA/ワイズの今やるべき活動は何か? 21世紀は"心の世紀"或いは"心の世紀であるべき"との意見があります。このような社会にインパクトを与える我々に残された使命で、人々を引き付ける魅力的使命は"イエス・キリストによって示された愛と奉仕の精神にもとづいて"に収斂されるのではないでしょうか。