第66回国際大会報告

山中秀男

 8月12日から15日までの4日間インド南西部アラビヤ海に面したコーチン市で32カ国614名の参加者で開催された。うちインド以外の外国からの参加者は350名。内日本からは東73名、西60名の計133名で一位。二位韓国、三位デンマークの順。
 午後3時、大会実行委員長ゴピナス氏の司会で始まり、恒例のフラッグパレード。Y'sに加盟する66カ国全ての旗が入場。参加者がいない国については、ユースコンボケーションの若者が代役を務める。入場の都度、国際事務局長のロランド・ダルマス氏が国ごとの状況報告をした。一国一クラブ、会員一名もある。因みに昨年2003年4月1日現在のデータで、世界のY'sクラブ総数は1,487、会員総数28,331名、平均会員数19名、会費納入率94.9%。世界8地区に分けて納入率の最も悪いのがアフリカ17.2%、70クラブ、会員数890名。次に問題なのが南米ラテン・アメリカ、46クラブ、会員591名擁しているが納入率は56.9%。他の6地区は概ね100%もしくは100%に近い。
 礼拝に続き、キャンドル点火。インドの風習か、大会会議中、火が点いていた。開会が宣言され、警官が警察犬を伴って、演壇をチェック。メイン・スピーカーの元インド首相グジャール氏が夫人と農務大臣の先導で入場。Y'sが人種、民族の偏見なく、国際平和に貢献している事を評価。インドも発展途上国ではあるが、多様な文化、言語を融合させ、貧苦と迷信を克服しながら、ガンジーの唱えた非暴力の平和主義で、インド式民主主義を進めている。Y'sの活動の中でタイム・オプ・ファーストの件には、いたく感動したと称賛された。続いて女性のケララ州郵政局長より、66回国際大会の記念切手が大会委員長に手渡され、本日より全国で一斉売り出し、会場特別デスクの分は即日完売された。大会初日のこの模様は、インドの英字新聞、現地語新聞で報道され、インドで始めて開催された国際サービスクラブ大会への関心の高さを窺わせた。
 開会式直前、インドならではの光景に出っくわした。PANCHAVADYAM(パンチャバディアム)のセレモニーだ。笛、太鼓を持った数名の半裸の若者が、賑やかな音楽を奏でる。飾り立てた四頭の象の背に四人ずつ立ち並ぶ。先頭をインドY'sの長老四人が、深紅の飾り傘を掲げて会場入口に進む。大会の成功を祈願する神事だ。


[東京クラブからの参加者たち]

 二日目から本格的論議。特筆すべきは、国際統一テーマ・プロジェクト(UNIFIED GLOBAL PROJECT)に、エイズ撲滅を決定したことだ。ポリオ撲滅とロータリーが同義語となったように、エイズとなればY'Sと連想されるように取組もうと、アジア地域(長尾ひろみ会長)から提案されたものだ。期間は5年で、早速当クラブの田中博之君(東日本区−国際・交流事業主任)達が会場にブースを設け、日本から持参したエイズ撲滅バッジ1000個を、200ルピーで田中メネット、東京クラブ、東日本区の面々の奮闘で完売した。
 国際本部のリストラクチャリング、経費、活動の便宜性が論議され、場所を現在のジュネーブから他に移す件で、ホンコンが受入れに名乗りを挙げているが、タイの代表はバンコクに積極的で今後は、長尾アジア地域会長を委員長にした、’国際本部の場所に関する調査委員会’の設置が決まり、次回国際議会までに、移転候補地の選定、移転方法を検討する事になった。
 Y'sユースクラブのガイドラインが正式に採択された。15−25才の構成で、メネットと同格に国際協会の傘下で認められ、会費は免除されるが投票権はない。各種委員会に出席して意見、要望が述べられる。呼称は、ユースサービスクラブでも、ユースY'sメンズクラブでも良い。
 会議の印象は、インド時間で始まりはルーズであるが、途中の休憩時間等で調整し、帳尻をあわせる。言葉も参加者の多い日本、韓国、デンマークには通訳ブースが与えられ、分科会でも東西日本区で新たに購入されたレシーバーシステムが運びこまれ、偉力を発揮した。当クラブからも、山本和・雅子、田中博之、山中が通訳に当たった。
当クラブからの参加者:山本和・雅子、田中博之・直美、佐藤茂美、松本良三、吉岡紀久雄、山中秀男・ちあき、以上9名。日本クラブ単位では最多でした。