2002年9月アピール: リーダーOBを迎えよう

          EMC委員長 進藤重光
 今ではすっかりオジサンになってしまった大人たちも、幼年時代の喜びに満ちた思い出だけは、今でも輝くような宝物となって心のどこかにしまってあるものです。照りつける太陽の下で、紫外線を少しも気にせずに川で魚を取った日々。体中にくっついてくる雑草や、酷い臭いを発する得体の知れないモノに奇声を上げながら野原を駆けずり回った日々。わけても、大自然の中でのキャンプ生活はその時の新鮮な空気さえ蘇るようです。
 そんな私にとって、それらのキャンプ生活は、同時に、大切な成長の機会ともなりました。幼児から少年へ、少年から青年へ、そして成人へと向かう節目節目で人間関係の重要性を無理なく学ばされたと言えるでしょう。
 そこでは確かに、マッチ一本で火が熾せることや、飯盒炊爨を失敗なくこなせるようになり、野外生活をおくる上での技術や知恵を学びます。が、それ以上に貴重な体験は、知らぬ者同士が、決して短くない時間を共有することで、自己と他者とが深くかかわる機会をもつことにあるのです。(実を申せば、私自身のNGO活動の原点もそこにあります。)
そのため、キャンプ・リーダーとして現地で活躍してくれた皆さんに対するワイズの期待は、これからも続くYMCAとの繋がり(EMC)です。そこには、この体験を短い青春の一ページとして埋もれさせるのではなく、これからの社会の歩みの中でも生かして下さるようにとの祈りが込められているのです。