2003年2月アピール: TOF強調月間に思うこと

          クラブサービス委員長 佐藤謙蔵
 イエスの時代のパレスチナ地域でも、貧富の差が非常に深刻な状況下にあったことは、新約聖書を読めば随所にうかがえます。山上の垂訓の中にも、貧しい人は幸いであるとか、餓えているものは幸いであるとか、最後の審判の譬えで、餓えている人、裸である人にどのような態度をとったかが問われているのは、そのような人々が間近にいたことを物語っています。ローマの占領下、ヘロデ王による経済発展に協力する階級の人々に比べ、彼らの使用人であった人々との貧富の差は、かなりひどい状況であったようです。今日のブリテンの聖書の箇所は、その中でイエスが12弟子達を伝道に行かせる時の言葉です。これはイエスの方針でした。人々の喜捨を当てにする貧乏旅行をして、貧しい人々が沢山いる所ではこのことが、神の愛を分かち合うのに最も相応しい方法だったのだろうと思われます。有名な「神と富とに兼ね仕えることはできない」の言葉はこの生活実態から出てきたものでしょう。
 2月のTOF(タイム・オブ・ファースト)断食例会は世界のワイズメンが実行します。そして2002年の国際のTOF主題が「人々の未来を築く」から、それを実行するために2003年は「平和な未来を築く」へとなります。平和への貢献は我々の生き方、富に対する身の処し方に深く関わってくるのではないでしょうか。