2003年5月アピール: 子どもの遊ぶ権利

          Yサービス委員長 中村鐵五郎
 子どもの権利に関する条約(1990年国際法として発効)には、子どもの遊ぶ権利が高らかに謳われている(同法31条)。声明文は曰く。
 子どもは世界の将来にとっての礎である。あらゆる文化のなかで、又いつの時代でも、子どもは遊んでいた。遊びは、栄養、健康、教育と同様に、子どもがそれぞれに持っている潜在的能力の開発にとって欠くことのできないものである。遊びは生活のすべての面に影響を及ぼしている。子どもは遊びを通して、身体や知性や心を育て、社会性を身につける。遊びは単なる暇つぶしではない。遊びは生きることを学ぶ術である……と。
 振り返って日本の社会をみると、子どもの遊びの重要性に対しては、いとも無関心である。学校では相変わらずの知育偏重である。
 わが国の学校もようやく週5日制を導入した。早くも学力の低下を危ぶむ声はかまびすしいが、遊びの重要性を説く声はあまり聞かない。
 YMCAの主たる使命は、青少年の健全育成である。子どもの遊ぶ権利の保障のためにも、YMCAの青少年のボランタリーな活動が期待されるところ大である。