2007年4月アピール: 桜のころに

EMC委員長 上原靖弘

 今年は予報の見込み違いがあったりして、いつもの年に比べて、ひときわ桜の花が待ちどおしい。この季節、毎年の事なのだが、いよいよ始まる春への、なにか浮き立つような、期待が持てそうな、明るい気持ちになれるのは、もうそんなに若くもない身にも、心地よいことだ。
 思えば小学校でも、高校でも、大学でも新入生の自分に、それから始まる夢と希望を、満開の桜が後押ししてくれるように思ったものだ。
 その後の、幾たびもの春に、ポトマックのほとりで、信州高遠城址で、角館の武家屋敷で、善福寺公園で、夙川の土手で、吉野上の千本で、目黒川の岸で、靖国神社で、千鳥ヶ淵で、その時その時の思いを抱いて、桜と出会ってきた。それにしても、記憶の中の桜が皆、華やいでいながら、魂を包み込むようなある種妖しさを感じさせるのは何故なのか、年々歳歳花相似たり歳歳年々人同じならずとか、また今日は昨日の明日じゃないとか。
 今年の自分は、どんな気持ちで桜に会うのかな、来年はどこで桜を見るのかな。日本酒いっぱいといっしょにワイズのことなど考えてみたい。