2007年12月アピール: クリスマスにボクシング?

副会長 長澤山泰

 海外旅行で人気のあるオーストラリアは鉄鉱石の輸出で有名ですが、低硫黄の良質な原油を生産していることはあまり知られていません。
 20年前10万トン原油タンカー「麻里布丸」で年末が押し迫った12月22日にメルボルンから西に約100km近くのウェスタンポート港への入港を控え、フィリップ島(ペンギンパレードで有名)の沖に錨泊したものの、なかなか原油積出桟橋に接岸させてくれず、明日はイブで無理だろう、明後日もクリスマスだから無理かなと、乗組員全員の期待は12月26日になるものの夜が明けて代理店からの連絡はBOXING DAYなので着桟は無理との回答。
 日本人にはあまりなじみのないボクシングデー。由来はクリスマスの翌日、元々は、教会が貧しい人たちのために寄付を募ったクリスマスプレゼントの箱を開ける日であったことから"Boxing Day"と呼ばれる。スポーツとは関係無いのに、若い船員はボクシングをする日と思ったらしく、乗組員一同失笑。
 結局、着桟&積込は1月3日。暖かい南半球でも仕事そっちのけでクリスマスを楽しむのだなと感心しました。2週間も足止めを食らい1月4日に出港した本船は、大阪泉北・興亜石油へ向けてフルスピードで航海したことは言うまでもありません。