ソウル・台北・東京YMCA指導者協議会参加報告

アジア地域の平和に向けて、YMCAの役割と協働

        佐藤 一男
 表記の協議会が11月7日(火)から9日(木)まで3日間ソウルで開かれた。参加者はソウル27名、台北15名そして東京12名の合計54名であったが私共夫婦も出席させていただいた。
 表題のメインテーマのもとに各Yからの発題があったが、台北YからはDevid Lee氏により「アジアにおける平和共存のための文化交流プログラム」について、ソウルYからはKwng-Shik Kim氏により「アジアの平和に対するYMCAの使命」そして東京Yからは国際協力事業委員長の笈川光郎氏により「アジア開発地域へのサポートプログラムについて」等、それぞれのYが取り組んでいる具体的な課題と事例が発表された。


 台北Yは99年9月の台湾中部地震よる被害に対して近隣諸国のYから即刻救援いただいたことに対する感謝と共に、受けた支援や日常行われている各国Yとの青少年交流プログラムによる活動を通じて彼らの心の中に平和や弱者に対する思いやりが育まれているということであった。
 ソウルYは、韓国と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が半世紀ぶりに対立の緊張緩和に向けて扉が開かれたことに対し青少年が明るい希望と自信を持つようになったことを喜び、これをアジア諸地域の平和に対する範とし、またYMCAが積極的に国の内外の平和達成の使命を果たしたいと述べた。
 東京Yの笈川氏は、現在パートナーシップを結んでいる北京、ハワイ、フロストバレー及びバングラディッシュはいとの交流支援プログラムを紹介し、特にバングラディッシュYに対しては東京ワイズメンズクラブが創立70周年の記念事業として会員による募金100万円を、運営の危機に瀕しているダハパラ診療所に寄贈する旨の紹介があり、出席者の大きな拍手を浴びた。
 この機会に台北アルファーやソウルワイズのメンバーにもお目にかかったので、70周年記念の会には是非おいでいただくようお招きした。
 この協議会は今回第11回であるが、隔年に各YMCA持ち回りで開かれている。それぞれ国際社会環境の異なる都市、そして変動の烈しい時勢にあってアジアの中核のYとしてイニシァチブをとり、影響力の強い3つのYMCAが協力して使命達成に努力しようという決意に、更めて深い意義を見出した。