感動のヨーロッパ14日間

郡山偕子

 2004年12月7日から20日迄東京YMCA国際ホテル専門学校と仙台YMCA国際ホテル専門学校の『ヨーロッパ研修旅行14日間』の呼びかけに、めずらしく夫が「行こうよ」とイニシャチブをとって言い出したので、喜んで参加した。
 世界中の観光客ですぐに長蛇の列になるバチカンはすべてに圧巻だった。美術館での彫刻品や絵画は感動した。サンピエトロ寺院では、心臓が止まるかと思う程の辛い思いをした。人が1人しか通れない狭さの一方通行の螺旋階段は、人の流れに従って進まねばならず、狭い空間を見つけては呼吸を整えて、200段以上の階段を息をきらしながら昇った。最上部の展望台からローマ中の空気を吸い込んでいたら息切れも収まり、歴史の重みを改めて実感する事ができた。フィレンツェの『ウフィツィ美術館』では歴史上の重要人物の肖像画、ダビデの像、聖母子像、十字架上のイエス等天井までの大きな聖画の数々を驚きと深い感動を覚えて見学した。パリの「テアトル・シャンゼリゼ」でケルン室内楽団のヴィヴァルディーの『四季』を聴いた。バイオリンのソロが日系の女性で、演奏の素晴らしさに精一杯の拍手を送り、心の底から安らいだ気持ちになった。


[ジュネーブのワイズメンズクラブ国際協会で、ロランド・ダルマス書記と]
(後方右上に歴代会長 の1人鈴木謙介メンの写真も見える)


 世界YMCA同盟本部を尋ねた時は、典型的な事務的なオフィスを頭に描いていた私にはこれが同盟のオフィスかと驚いた。ご案内下さったのは近藤倫弘氏(東京YMCA国際ホテル専門学校主管)と加藤雄一氏(仙台YMCA国際ホテル専門学校副校長)。同盟本部はクーベルタン男爵が最後の3年間住んでいたという素敵な建物で(門の扉上に「John R. Mott House」 と書かれていた)そこで、バート・シャハ総主事にお逢いし、館内を案内していただき、スタッフの方と握手を交わした。地下にはYMCAの記録が整然と貯蔵されており、大切な『パリ基準』の現物を見せていただいた。ワイズメンズクラブ国際協会には万国旗と共に、壁には歴代の国際会長の写真が飾られており、鈴木謙介メンと、青木一芳メンのお優しい顔も発見した。
 19日の日曜日に出席したサンピエール大聖堂(ジャン・カルバンが説教をしていた)の礼拝は、歴史が語る荘厳さ、ステンドグラスの美しさの中に子供達も前列で聖書を読んだり祈ったりする姿が印象的だった。フランス語での礼拝に私はチンプンカンプンで献金も捧げそこなったが、讃美歌の「かみのみこは」「エサイの根より」は日本語で歌った。
 この14日間は、すこし大袈裟かもしれないが、私の人生にとって忘れられない感謝と感動の毎日だった。