ユースとともに夢を

山本雅子

 “チョト ショプノ”というグループを知っていますか?チョット聞いたことがあるような気がしませんか?それもそのはず、東京クラブ5月例会にこのグループから5、6名が参加、アピールをしたのでご記憶の方も多いかと思います。
 “チョト ショプノ”は、昨年の東京YMCAバングラデシュ・ワークキャンプに参加した若者たちの中から生まれた、今はまだごく小さな団体です。ベンガル語で “ちいさな夢”という意味だそうですが、このほど東京YMCAバングラデシュパートナーシップ委員会の承認を得て、バングラデシュYMCAが運営するエディルプールの働く子どもたちのための学校(NFPE=Non Formal Primary Education=プログラム)を財政的に支援するために、東京YMCAの傘下で独自の活動を展開していくことが正式に決定しました。
 わずか一月足らずのワークキャンプではあっても、若い彼らはそこで見たこと、行動や体験を通して学んだこと、現地の人々との関わりの中で築かれた人間同士の共感等々、それぞれの心の琴線に触れてくるような経験を大切にもって帰ってきます。初めて見たスラム、道で花を売る小さな少女、家計を助けるために正規の学校教育は初等教育でさえ満足に受けられない子どもたち。あの人たちのために、あの子どもたちのために、日本にいても自分たちに出来ることは何だろうかと考え,模索した結果が“チョト ショプノ”の立ち上げに繋がったということです。バングラデシュの子どもたちに小さな夢を与えると同時にそれが彼ら自身の小さな夢にもなっているのです。
 さて、これからの活動のために彼らが今一番必要としていること、それは一人でも多くの賛同者、協力者、支援者を得ることです。とりわけワイズ、YMCAに関わる私たちのサポートを必要としています。ワイズの活動は行事が多く、また各種の資金援助を要請される場面も多々あります。それだけに時には金銭のみが安易に動く傾向が見受けられなくもありません。ユースの活動に対して資金面の援助を欠くことは出来ませんが、しかし、ユースが本当に必要としているのは、彼らの志の根っこの部分を理解し共感しサポートすることではないかと思います。そして彼らの活動に関心を示し、ユースと共に学ぶことを通して相互理解を深め共に成長するところに真の喜びがあるのだと実感しています。
 東京クラブは、今年1月、「東京ワイズユースの会」を設立しましたが、この会の趣旨もまさにこの点にあるのではないでしょうか。一人でも多くのユースにこの「ユースの会」に参加していただき、共に私たちワイズメン、ワイズメネットの「小さな夢をより大きな夢へ」と育ててゆきたいものと心から願います。