ワイズメン活動とマーケティング

山中秀男

 長年の会社勤めから教員生活に入り、マーケティング担当主任教授として大阪梅田にある宝塚造形芸術大学専門職大学院で教えている。レビューの宝塚との関連を聞かれるが、関係は無く、大学は六甲山脈の中腹に連なる景勝な地に展開され、デザイン、メディア、マンガ、イラストを得意とし、大学院はビジネススクール(専門職大学院)で、大阪は北の中心に安藤忠雄設計、外装フランス人デザイナーの一際目立つ建物で難波っ子の目を引いている。教えての感想は、学問の理論と実生活の知恵とが結びつかず、産学生活不融合に戸惑っている。
 マーケティングとは人間の欲望、ニーズに応え、早く的確に効率的に商品、サービスを届ける仕組みで、企業活動に限る事は無い。世の中のこと全てが対象になる。アメリカのマーケティングの本を読んでいると、お金持ち(MONEY RICH)に対比して時持ち(TIME RICH)なる言葉が頻繁に出てくる。TIME IS MONEY だ。忙しい世の中、時間を使わせない、掛けさせないコンビニ、スーパーが応える業態であり、これに経済性と楽しみを加えたのが百円ショップ、ユニクロになる。いずれもマーケティングの成果だ。こうして節約された時間は、各人のライフスタイル、生活価値観の充実に使われる。その分野は各人各様で、精神的安定、健康の維持・増進、経済的充足に消費されよう。  ワイズマン活動は
1.YMCAを支援し自己啓発と共に社会に貢献する。
2.国際的、国内的に活動を発展させ仲間つくりと後継の人材育成に努める。
3.NPO活動の資金集めと運営経費の効率的使用を徹底させる。
等に要約されよう。
 前々回シドニーの国際大会のフォーラムでワイズマン活動のマーケティング的手法が採り上げられ、コンサルタント会社の社長をリーダーに前記三項目を中心に活発な論議が交わされた。マーケティングの最も強力な武器はブランドの確立である。トヨタ、ソニー、ルイ・ヴィトンの威力を見れば分かる。ワイズにはYMCAなる素晴らしいブランドがある。活動を通じて一層磨きをかけていかねばならない。
 最後に京都の八月は各宗派本山で朝六時からの暁天講座があり胸に響くのがある。
小才は縁に出会って縁に気づかず
 中才は縁に気づいて縁を生かせず
 大才は袖擦りあった縁を生かす”