小千谷応援ツアー

茅野徹郎

 復興した小千谷地域を訪問して、今後更にどんな事でお手伝いできるか、勉強しようと考え、3月24〜25日の2日間、東京YMCA会員部主催のツアーに参加した。本音を言うと、日本酒の美味しい越後で酒蔵を訪問するという企画が含まれていたことも、インセンティヴになったのかも知れない。
 小千谷社会福祉協議会の篠田氏より災害時の状況、救援活動、そして生活復興支援など、につき、ご努力の実態を伺った。特に印象的であったのは、地震後直ちに全国から善意の支援の物や人が送られてきたが、あまりの多さに整理がつかず困惑していた時、YMCAのスタッフやボランティアが取り仕切ってくれ、その組織だった働きが助けになったということであった。
 撤去が近い仮設住宅で、被災された方々の実体験のお話をうかがい、突然前触れもなく災害が発生するということに対してどのように備えたらよいか考えさせられた。殆ど復興した「高の井酒造」で、銘酒が杜氏によって芸術的とも言える緻密な管理で生まれることを知り「ものはためし」と先ず試飲、結局相当買ってしまった。これも今回の目的の一つであった、地場産業に貢献することに一役買ったことになるであろう。3ヵ所に別れて夕食の後、今回のツアーに参加した25名の懇親会を、イタリアン・レストランで行う。


[仮設住宅の集会場で被災者の体験談を聞く筆者(左から3番目)]

 翌日は、当日開通の山古志村を訪ねる。その途中崩壊現場を信濃川対岸より見学していたら、バスが大きく上下した。これが、能登半島地震であった。「災害は忘れる前にやってくる」と実感した。養鯉場で、有名な山古志の鯉を見たが、何百万円の値が付けられた鯉が優雅に泳いでいた。半分以上は輸出されるとのことで、再建されたこの養鯉場も外貨獲得に一役かっているようだ。小千谷の闘牛にでる、牛の牛舎を見学。巨大な牛2頭がいたが、あまりに柔和な目つきであったので、闘争心をどのように掻き立てるか不思議に思った。小千谷に戻り、名物「へぎそば」の昼食をとり、私はお先に失礼したが、皆は物産コーナーでお土産を買い地元経済に貢献して一路バスで帰宅したとのこと。