BFフルグラント南米の旅(9)

佐藤謙蔵

 復活祭の休日をピルケで過したために、長く滞在することとなったチリの首都サンチャゴ市を後に、2006年4月18日(火)の午後から、チリ北部のアントファガスタ市とペルー国境に近いイキケ市のワイズメンズクラブ訪問を予定し、ラモス部長の車で空港国内線搭乗口まで見送られ、4月23日(日)に戻ることを約束し、約2時間のフライトでアントファガスタ着。海岸に平行して建てられた空港ビル周囲は一面の砂漠で、そこへ Mladen Omerovic 会長の出迎えを受けた。早速車に便乗、約40分近く北上すると、山が比較的接近した所に市街地が形成されていた。その中心地近くの会長宅に手荷物を下ろした。滞在用に中庭の部屋を2日間提供されるとのこと。夕暮れが近いため、歓迎会に間に合うように1時間位で市内を案内しようということで、先ず銅鉱石の精練工場と、それを積み出すために海に向って長く伸びた橋梁埠頭から、貨物船への積込みを見学。帰りは廃鉱が内陸部まで続く山々を案内されたが、会長は廃鉱後の山々がそのまま放置され、植林が未だ進んでいない状況について、チリ政府の怠慢を嘆いていた。その後、海岸沿いのオセアノ・ホテルで、夫人同伴15名での歓迎を受けた。翌日はアントファガスタYMCAを訪問した。小規模ながら屋外屋内の体育施設があり Osvaldo Gallard 館長と4人のスタッフが多忙を極めていた。夕方にボランティアが来てくれるので助かると、満面の笑顔が忘れられない。午後から夕暮までは主に小学、高校、大学等の教師達が現れて、自習にやって来る子供達の手助けや、バスケットボールやサッカー等を指導していた。
 4月20日(木)午前中はムラデン会長夫妻と薬草など健康食の話題で過し、13時発のランチリ便搭乗のため、空港へ行く途中のモレー湾にある、天然記念物に指定されたラ・ポルターダという奇岩を案内されてから、空港でお別れとなった。午後2時イキケ空港に到着し、最後のクラブ訪問となるイキケクラブのオルテガ会長(Sr. Renato Ortega)にお出迎え頂いた。オルテガ会長は非常に精力家で、40代の若さで本業の建築材料商にも力を注ぐ一方、ワイズ活動はそれ以上だと自認するだけあって、家をワイズの事務所にし、奉仕活動に時間を惜しまない人だと会員も言っていた。空港から市内まで、スペイン語に英語を交えて、熱心な会話は自然に通じてくる。短い2日間を案内とワイズ活動に総て付き添ってくれた。南米3ヵ国のクラブ訪問中最も教えられた方であった。


[銅を積み出す橋梁埠頭]


[アントファガスタでの懇談会 (アントファガスタYMCA2階の会議室にて)]


[ラ・ポルターダ]