2000年12月アピール: サンタクロースは名カウンセラー

          副会長 江口耕一郎
 昔のサンタクロースは煙突からこっそり入ってきたりなどしなかった。司教冠をかぶり、黄金の杖をもち、大きな本をかかえて、子供のいる家を訪問する。異形の怪物を連れていることもあり、子供たちは震えあがる。子供と対面して問答を交わし、両親の言うことを良くきいて、いい子でいることを約束させ、子供に施しをして次の家に向かう。どこか日本の「なまはげ」を思わせる古い風習である。南ヨーロッパでは、聖ニコラウス(サンタクロースはオランダ語よみ)の祭り(12月6日)の前夜、未だに行なわれている行事だという。
 このように、子育てに不慣れな若い親たちを支援し、共同体全体で子供を守り育てていく仕組みが、今や急速に失われつつある。少年法の厳罰化だけで対処できる問題ではないだろう。子供や親を対象とするカウンセリングの充実など、行政に頼るべきところも多いが、ワイズメンとして地域社会に何かできないか考えてみたい。新しいCS活動の開発は東京クラブの課題でもある。
 今年のクリスマス例会にはサンタクロースが登場しない。その代わりみなさんが、21世紀にふさわしいサンタクロースとなって地域社会に貢献していただきたい。