1999年12月アピール: 禅タクロース

        副会長  山中 秀男
 色々のXマスがある。
 学生時代北多摩にあるセント・ヨゼフスホームというフランス系カナダ人のシスターが運営する孤児院の神父さんの助手をしていた時が最初のXマス。四六時中シスターの懺悔と祈りに心を打たれた。お茶の水駅の近くにあったクリスチャン・デンティストにアメリカ人の宣教師兼歯科医の所にもよく出入りしていた。ニューヨークに住むようになって最初に行ったのが国連の前にあるUN教会で午前中カソリック、午後プロテスタント、家族で出かけた。場所柄外交官が多く、Xマスポットラックサパーで持ち込まれた、南アフリカ外交官の牛の頭料理に肝をつぶした。ニューヨーク郊外に移ってからルーテル教会、司祭が反戦運動で逮捕されて終わり。次にバブテスト教会、チャパカという高級住宅街にあった。ヒラリー大統領夫人がニューヨーク州上院議員に出馬するために住宅を買い求め一躍有名になっている。帰国して長崎では隠れキリシタンの末裔の教会、ロザリオを常に携え、すだれ越しにしか話が出来なかったシスターとの深夜のXマス。
 今年の京都で新しいXマスに出くわした。四条通りの「禅タクロース」で、オーストラリア人の女子留学生がサンタに紛して座禅を組んでいる。欧州で広まりつつあるXマス1ヵ月前の11月26日をBuy Nothing Dayにするキャンペーンだ。Xマスにプレゼントを結びつけるのは邪道、一日何も買わないで心から休息し、地球を守り環境を救うエコロジーXマスだ。